吉田孝史(ソプラノイズ)
僕はバンドの進化といいますか、そういう様を観察するのが好きなんですが、このバンドはピカイチです。早くいけいけといつも思っております。
「 性別のほかに 」 MUSIC VIDEO
僕はバンドの進化といいますか、そういう様を観察するのが好きなんですが、このバンドはピカイチです。早くいけいけといつも思っております。
Bird In A Cageの最新作【両生フェルミオン】を聴いた。
前作【昇華プランクトン】を聴いたときは、weezerのようなTHE NOVEMVERSのような攻撃的かつ退廃的なイメージを覚えて、『またすごい若手が現れたなぁ』なんて思ったものだ。
それから、約2年。
今作は前作で感じたような部分を残しつつも、よりアダルトな変化をしているように感じる。
それは、The Velvet TeenやDeath Cab For Cutieを聴いたときのような感覚に近い。
芯を残しつつ、こういう変化が出来ることは容易いことではない。Bird In A Cageというバンドがこの2年の間に色々なものを吸収してきたことがよく分かる。とても良い作品。
それにしても、メロディが甘い。素敵だ。
ひじょうに幻想的で繊細な頭の中の世界を音楽であらわしているのは狂気にちかいハイクオリティ。
「非行」という曲が特にすばらしい。
両性フェルミオン。
僕がこのアルバム音源をはじめて聞いたとき感じたのが、「矛盾」だった。
あたたかくキラキラしたギターの音、そしてその音を削ることなく柔らかなリズムを刻むドラムとベース。聞いていてとても心地良い。
しかしヴォーカルが入ると、前述の「矛盾」が顔を覗かせる。このあたたかくキラキラした音の中で歌われている歌詞はとても内向的なのだ。これはアルバムを通して言える。歌詞の内容は、是非音源を手に取って見てもらいたい。きっと、あなたもこの「矛盾」に気がつくはず。
両性フェルミオン。このアルバムのテーマは「矛盾」なのかなぁと僕は勝手に解釈している。この音楽があなたの耳にどう聞こえるかはわからないけど、僕はこのあたたかいメロディと、歌詞が同時に耳に入ってきた瞬間「矛盾」の次に、自分が今どこにいるか分からないような感覚に陥った。聞けば聞くほどに何もかもが、感情さえもミクロなものになり、彼らの音楽で頭の中を支配される。
きっとこれが Bird In A Cage の世界なのだろう。
僕がバードインアケージを好きな理由は、現代のギターポップそのものだと思えるからです。
このCDもそういった作品です。実験しましたが耐久性にも優れています。是非お勧めです。
まずは新しい作品の完成おめでとうございます。
今回、コメントの話を嘉藤からもらって、まず最初にBirdの新しい作品をいち早く聴くことが出来る事に、とても嬉しく思いました。
そして今作の「両生フェルミオン」
聴き終わって最初に感じたのは、早く「LIVE」で聴きたい、そう感じさせてくれる作品でした。
個人的に、久しく「LIVE」を観ていないという理由もあるのだけれど、特にM-3の「幻聴」、この曲の空気感、浮遊感がたまらくて、アウトロの盛り上がりに聴いていてウズウズしました。
今後、Bird In A Cageがどういった活動をしていくのかとても楽しみであり、末恐ろしい。
「美しい」
この作品を形容するならこの言葉をおいて他にはないと思う。
「綺麗」ではなく、ただただ「美しい」
音と同時に強烈なイメージが飛び込んでくる。
それは絵画のような一定の形を成したものではない。
「芸術そのもの」がえも言えぬ様相で襲いかかってくるのだ。
このバンドが、この作品が同じ松江にいることを誇りに思う。
皆さんもぜひ彼らの芸術の海に潜ってください。
お聴きの際はフルボリュームで。
リリースおめでとう。
ノイズとメロディーとのぶつかり合いの向こうに、ロックの未来があるんじゃないかと、このバンドのサウンドを聴いていて思います。とにかく、何かが渦巻いております。ウロボロス的な何かが。